それからというもの、唐僧はもう一人の弟子を得ました。師弟三人は千辛万苦を恐れずに、昼夜西へ向かって進みました。この日は険しい山のふもとに来ました。突然旋風が吹き荒れました。悟空は風がやんだ後に、風の尾を掴んで嗅いでみました。腥臭い匂いがしました。そして言いました。「この風の匂いからすると、近くに猛虎か妖怪がいるということだ。」
話し終わらないうちに、山坂の下から飛び出してきた斑点の猛虎が唐僧を驚かせて、白馬から転げ落ちました。八戒は見ると、荷を投げ捨てて、鉄鈎を持って頭から打ちました。突然その猛虎は立ち上がって、爪でを引っ掻いて、虎皮を剥ぎ取りました。大声でびました。「私は黄風大王の先鋒だ。お前たちはどこの和尚だ？」
八戒は来歴を説明すると、妖は振り向いて乱石の中から二本の赤銅刀を取り出して、八戒に向かって斬りかかりました。二人は坂の前で戦い始めました。悟空は見ると、金箍棒を持って加勢しました。妖は敵ではないとわかると、地面で転がって、また猛虎に変して逃げました。悟空と八戒はそう簡単には引き下がらずに、急いで追いかけました。
妖は逃げ切れないとわかると、金蝉脱殻のを使って、爪で虎皮を剥ぎ取って、卧虎石という石にかけておきました。自分は一陣の狂風に変して逃げました。道路に着くと、唐僧が一人で道路に座っているのを見て、一把に唐僧を掴んで、狂風に乗って走りました。
妖は唐僧をに連れて行って、主に唐僧を捕まえたことを得意気に言いました。老妖怪は聞くと驚きました。実は彼は孫悟空の強さを知っていて、心の中でとても怖がっていました。小妖たちに唐僧を後ろの庭に引っ張って行って、定風柱に縛り付けておくように言いました。まだ食べないで、三日五日待ってみて、唐僧の弟子たちがやってこなければ、その時に食べても遅くないと言いました。
悟空と八戒はあの老虎が石の上に寝ているのを見て、棒鈎を一斉に打ち下ろしました。虎皮が裂けて、石が割れました。悟空は大声で言いました。「やばい！罠だ！」二人は急いで道路に師父を探しに行きましたが、師父の姿はどこにもありませんでした。八戒は慌てて泣き出しました。悟空は言いました。「泣くのはやめて、まず師父を探しに行こう！」
師弟二人は山の中に追いかけて、山を越えて谷を渡りました。突然一つの岩石の下に一つの山門が見えました。門には「黄風嶺黄風」という六つの大きな字が書かれていました。悟空は八戒に馬と荷を見ているように言って、自分は口に行って挑戦しました。
小妖怪たちは慌てて中にって老妖怪に報告しました。
老妖怪の先鋒は自ら志願して、五十人の鋭部下を率いて、戦鼓を打ちながら、戦旗を振りながら、二本の赤銅刀を持って、口から飛び出して、悟空と戦い始めました。数回わした後、その妖怪は腰が痛くて足が疲れて、後ろを向いて逃げようとしました。悟空はすぐに道を塞いで、顔を拭って、本来の姿に戻ってびました。「この化け、俺は誰だと思う？」と妖怪は悟空の姿を見て、手足が震えました。「ヒュー」という音で一狂風に変して逃げました。
悟空はこの妖風を追って高山まで来ました。妖風が一つのにるのを見ました。悟空は雲から降りると、妖怪がもう元の姿に戻ってから出てきました。手には三鋼叉を持って、「お前この弼馬温！当時天宮を大騒ぎしたとき、何人もの人を巻き込んだじゃないか。今日はまた俺をいじめに来た。俺の厳しさを味わえ、見ろ！」と言って叉を振り回しました。
