歩いているうちに、暗くなってきた。遠くに小さな林の中に、豪華な門がかすかに見えた。三蔵法師は喜んで言った。「今夜は宿泊できるところがあるようだ」。三蔵法師と弟子たちが門口に着いたとき、ちょうど家の中から一人の中年のが出てきた。三蔵法師は急いで礼をして、用件を話した。は聞くとすぐに三蔵法師と弟子たちを家に招きれて休ませた。
は三蔵法師と弟子たちを大広間に連れて行き、使用人に斎飯を用意するように命じた。自分は三蔵法師と世間話を始めた。「私の家は財産が富で、良い田地もたくさんあります。ああ、でも夫は一昨年亡くなりました。私には三人の娘しか残っていません。あなた方師弟四人はみな正直な紳士です。私の家に婿に来てくれませんか？師父はどう思われますか？」
三蔵法師の顔は耳まで赤くなり、聞こえないふりをして答えなかった。八戒はこれだけの財産とがあると聞いて心がき、そっと師父のそばに寄って、承諾するように頼んだ。三蔵法師は八戒を睨んで叱った。八戒は口を尖らせて一方に立った。
は三蔵法師が答えないのを見て不機嫌になった。三蔵法師はそれを見て悟空に押し付けようとしたが、悟空は八戒に押し付けた。八戒は心の中では喜んでいたが、口では遠慮するふりをした。は彼らが互いに押し付け合って誰も承諾しないのを見て怒って、屏風の後ろに行ってドアを閉めて出て行った。
三蔵法師と弟子たちは冷やかされて、大広間で食べも飲みもせず、誰も相手にしてくれなかった。八戒は文句を言った。「師父、どうして先に彼をだましておいて、食べ飲みした後に他の方法を考えなかったんですか？」言って大広間から出て行って馬を放すと言った。悟空は八戒が別の考えがあることを知って、赤いトンボに変して八戒の後ろについて行った。
八戒は馬を連れて行くところがなくて、囲い壁に沿って裏門まで回った。するとが三人の娘と一緒に小庭で花を鑑賞していた。八戒はこっそり見ると、三人の娘は本当に天仙のようにしかった。思わず夢中になって笑顔でそばに歩いて行った。
三人の娘たちは他人が来たのを見て、恥ずかしそうに家の中に隠れた。猪八戒はそのの前に行き、丁寧にお辞儀をし、親しげに「お母さん、馬を放しに行きました」と言い、そのに彼の娘と結婚するように頼んだ。は、「あなたの師匠はそれを許すのですか？」と尋ねた。猪八戒は、「彼は私の父ではない、そんなに多くのことを気にするわけではない！」と言った。
孫悟空はその話をきちんと聞いていて、すぐに前の部屋に飛び戻り、もとの姿に戻った。猪八戒とそのの会話を、師匠に真似して話した。話し終わると、猪八戒が馬を連れて戻ってきた。孫悟空はわざと猪八戒をからかい、「馬をどこに放してきたの？」と尋ねた。猪八戒は言葉を濁して、「この辺りの草は良くない」と答えた。
そのとき、隣のドアが開いた。そのは3人の娘を連れて、きれいな服を着て、小さなステップで部屋にり、唐僧と彼の弟子に挨拶した。唐僧は手を合わせ、頭を下げて「阿弥陀仏」と唱えた。孫悟空は彼たちを無視して顔を上げ、沙僧は振り向いて彼たちを見ることができなかった。しかし、猪八戒だけが彼たちをじっと見つめていた。
挨拶の後、そのは娘たちを部の部屋に連れて行った。そして、唐僧に「長老のどの弟子が私の娘と結婚したいのですか？」と尋ねた。唐僧、孫悟空、沙僧はみんな猪八戒を見た。猪八戒は、渋々の態度を取った。孫悟空は猪八戒の手をつかみ、そのの手に渡し、「既に話し合っていたのでは？」と言った。「天地を拝もう！」
